食品の消費税 8%→1%へ―ただし外食は10%のまま
2026.08.28

京都市西京区の会計・税理士事務所 渡利会計事務所です
7月30日、高市総理が飲食料品の消費税率を令和9年4月から2年間、8%から1%に引き下げる方針を表明しました。食品を買うすべてのご家庭の家計と、食品を扱うすべての事業者の実務に関わる話です。政府は8月5日にこの方針を閣議決定しました。ただし法律の成立はこれからで、詳細は今後の国会審議で固まります。
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何が変わるのか
| 区分 | 現在 | 令和9年4月〜 | 令和11年4月〜 |
|---|---|---|---|
| 飲食料品(持ち帰り・出前を含む) | 8% | 1% | 8% |
| 外食・酒類 | 10% | 10% | 10% |
| 食品以外の商品・サービス | 10% | 10% | 10% |
下がるのは、スーパー等で買う軽減税率(8%)対象の飲食料品で、もともと10%の外食・酒類は据え置かれる見通しです。期間は2年間限定。総理は「2年後には、私が責任を持って、確実に税率を元に戻す」と明言しています。あわせて、中低所得の方への給付(給付付き税額控除)で負担を「実質ゼロ」とする方針です。
制度の背景と適用時期——なぜ0%ではなく1%なのか
物価高対策の柱として打ち出されたものです。0%ではなく1%なのは、税率0%に対応していないレジが多く、1%なら事業者のシステム改修期間を短縮できるため。自民党の了承を経て、政府は8月5日に「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針を閣議決定し、この引下げを明記しました。今後は9月に与党税制改正大綱、秋の臨時国会に法案提出という日程で、国会審議の中で対象や期間など詳細が変わる可能性があります。
家計は軽くなる、飲食店には逆風——影響の境界線
ご家庭では、食料品の購入が税抜で月5万円なら消費税は月4,000円→500円、2年間で約8.4万円の負担減です。一方、飲食店には逆風が3つ重なります。
① 「スーパーで買えば1%、お店で食べれば10%」と税率差が現在の2ポイントから9ポイントに拡大し、外食を控える動きを招きかねないこと。
② 「消費税が下がったから」を口実にした食材などの本体価格の値上げ(便乗値上げ)は、正真正銘のコスト増になること。
③ 同じ商品でも持ち帰り・出前なら1%側に立てること。コロナ禍で鍛えたテイクアウト対応と、その比率の見直しが2年間の防御策になります。
実務上の対応・税務上の留意点
① 食品を扱う事業者(製造・卸・小売・飲食)は、施行までにレジ・販売管理・請求書システムの改修と値札やメニューなどの価格表示の変更が必要になる見込みです。
② 飲食店(原則的な計算方法の会社)は、仕入の税率だけが下がるため消費税の納付額が今より膨らみます。損得は生じませんが、納税資金の準備額が変わります。仕入先から値上げの話が出たら、税率の変更分と本体価格の値上げ分を分けて確認することが大切です。
③ 会見では、外食産業や農業者への支援策の検討も表明されています。今後の予算編成で補助金等の形で具体化され次第、本ニュースでお知らせします。
まずは「自社の売上と仕入がどちらの税率になるか」の整理から。影響の試算は当事務所までお気軽にご相談ください。
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出典:内閣官房「「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針」(令和8年8月5日閣議決定)・首相官邸「「飲食料品に係る消費税率の引下げ」及び「給付付き税額控除」についての会見」(令和8年7月30日)を基に弊所作成(2026年8月参照)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260805/01_siryou1.pdf
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