事業の未来のために利益計画を作りませんか?
2023.03.31
京都市西京区の会計・税理士事務所 渡利会計事務所です。
突然ですが、皆様の会社では事業の未来像を全社員で共有され
ていますでしょうか?
事業の未来像は社長の描く方向性や優先順位を明確化した大
事な戦略です。
事業の未来像があるから社員は達成すべき目標に向かって頑張る
ことができます。
そして、目標設定に必須になるのが【利益計画】です。
今回はお客様の利益計画作成実例も交えて、利益計画の作成過程
を説明したいと思います。
利益計画は、社長の思いや理念を計画根拠として試算する
ところから始めます。
事例にあげるお客様は、創業25年、卸売業を営まれる会社様です。
来期は昨今の原材料高騰や、値上げ、社員の給料ベースアップ、
財務体質の改善などを考慮して計画値の試算を行いました。
計算根拠メモ補足
<試算1>
・借入金の返済額8百万円/年から逆算した税引き前の必要利益
は12百万円
<試算2>
・価格決定権のある商品を販売しているため5%の値上げを実施
<試算3>
・必要利益を超える利益は、決算賞与として社員に分配する。
<試算4>
・5年後の実質無借金(預金 ≧ 借入金)に必要な利益は33百万円
(税引後22百万円の利益が必要)
・減価償却費10百万円は、借入の返済原資と考えて必要利益を下げる。
試算を繰り返し、どの試算を目標にするのかを決めます。
検討した結果、お客様は 試算3を選ばれました。
我々も前期からの売上成長率110%と、適度な成長率と思いました。
過度な成長は資金不足と社員の疲弊を招く恐れがあるので注意が
必要です。
今期は、原材料高騰による仕入値アップ分をしっかりと販売価格
に転嫁し、全社員で販売数量UPにもチャレンジしていくとのこと
です。
ちなみに「人件費は利益を稼ぐための未来費用だ」という
社長の思いから、すべての試算に来期社員の給料を5%アップが反
映されていました!
更に、目標の経常利益を超えた分に関しては決算賞与としてパート
スタッフも含め、全社員に支給したいともおっしゃっていました。
目標に向かって、数字を社員に共有して頑張りたい。
目標達成できたら利益を社員にも還元したい。
と社長の素晴らしい思いが詰まった利益計画でしたので、
今回実例として取り上げさせていただきました。
もしご自分の会社に置き換えるなら、
どの試算を目安になさいますか?
昨今の社会情勢で会社の未来が不透明と感じていらっしゃるのな
ら、まず来期の利益計画から作られてはいかがでしょうか?
利益計画があるからこそ、計画と実績との差を情報として読み
取とることができ、対策が打てます。
計画通りにいかなくても実績との差を感じ、会社としての新しい
課題を発見できるのも利益計画の目的の一つです。
是非、我が社でも作ってみたいという社長様は、
お気軽にお問い合わせくださいませ。
お待ちしております。