トップページ > 税務お役立ち情報

税務お役立ち情報

赤字なら確定申告は要らない?

2015.10.27

京都市西京区の税理士 渡利裕亮です。

 
個人事業をご開業される方に「赤字なら確定申告しなくてもいいんですよね?」と聞かれることがよくあります。

 

確かに赤字であれば確定申告をしなくても事業の税金は発生しません。「それなら面倒な申告作業を省きたい!」

というお気持ちもよくわかります。

 

ただ、赤字だから戻ってくる税金も多くあります。例えば・・・

 

開業年に勤め先から給料を貰っていた場合、確定申告をすれば事業の赤字と給料を相殺して税金が還付されます。

 

また、青色申告であれば確定申告をすることでその年の赤字を翌年以降3年間繰り越せます。
翌年、黒字になった場合には黒字と前年の赤字を相殺できるので翌年の税金を減らすことができます。

 

これらはよくある例ですが、「確定申告をしなかったことで数十万円の損をした!」という事例も実際にあります。

 
面倒でも確定申告は必ず行いましょう!

マイホームを譲渡(売却)した場合の税務上の特例について 

2014.10.06

京都 西京区の税理士 渡利裕亮です。

 

今回、次回とマイホームを譲渡(売却)した場合の税務上の特例について、ご紹介致します。

マイホームは税務上「居住用財産」と定義され、その範囲は以下①~④になります。

 

 ①自分が住んでいる家屋

 ②自分が住んでいる家屋とその家屋と共にある敷地等

 ③災害によって滅失した家屋の敷地等

 ④住まなくなった家屋とその家屋と共にある敷地等

 ※③④については、住まなくなった日から3年目の年の12/31までに売ること等一定の要件を満たす必要があります。

 

なお、税制優遇を受ける目的など、一時的な目的で入居したと認められる家屋や別荘など主に趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋は「居住用財産」から除かれます。

 

通常、建物(家屋)や土地(家屋の敷地)を譲渡すると、

「土地、建物」などの資産を譲渡することによって生ずる「譲渡所得」として、他の所得、例えば事業所得や給与所得などとは合計せずに、個別に課税(分離課税制度)されます。

また、譲渡により生じた損失(譲渡損失)は事業所得や給与所得など他の所得と相殺(損益通算)することはできません。

 

譲渡所得は、 収入金額-(取得費※1+譲渡費用※2)-特別控除額※3=課税譲渡所得金額

 ※1 土地・建物の購入費用などの合計額から売却時までの建物の償却費相当額を差し引いた金額

 ※2 仲介手数料、印紙代など売却のために直接かかった費用

 ※3 マイホームの譲渡、収用などにより土地・建物を譲渡した場合で、一定の要件を満たす場合には、特別控除の

    適用があります。

により計算され、税額は所有期間に応じて以下のとおり計算されます。

 

(1) 長期譲渡所得の税額(売却年の1/1現在において所有期間が5年超の土地・建物の譲渡の場合)

  課税長期譲渡所得金額×20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)

(2) 短期譲渡所得の税額(売却年の1/1現在において所有期間が5年以下の土地・建物の譲渡の場合)

  課税短期譲渡所得金額×39.63%(所得税・復興特別所得税30.63%、住民税9%)

 

ただし、マイホームを譲渡(売却)した場合には、売却代金を新居の資金に充てたりしなければならず、その売却代金を自由に処分できません。

したがって、マイホームの譲渡による所得には税負担できる余力がないため、税負担を緩和するよう、一定の適用要件を満たす場合には、以下の5つの特例を受けることができます。

 

譲渡により利益(譲渡益)が出たとき

 ①マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

  所有期間に関係なく譲渡益から最高3,000万円まで控除ができる特例

 ②所有期間10年超のマイホームを譲渡した場合の軽減税率の特例

  譲渡益6,000万円以下に係る税率が14.21%(所得税・復興特別所得税10.21%+住民税4%)となる特例

 ③所有期間10年超の特定のマイホームを買い換えたときの特例

  特定のマイホームを譲渡して新たにマイホームを取得した場合において、譲渡益が生じたときは、一定の要件の

  もと、譲渡益に対する課税を新マイホームを将来譲渡したときまで繰り延べられる特例

 (譲渡益が非課税となるわけではありません。)

 ※①と②の特例は併用して適用を受けることができます。

 

譲渡により損失(譲渡損失)が出たとき

 ①マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

  旧マイホームを売却して新マイホームを取得した場合において、旧マイホームを売却して損失(譲渡損失)が生じ

  たときは、譲渡損失を他の所得と損益通算でき、損益通算しきれない譲渡損失は翌年以後3年間にわたって繰越控除

  できる特例(旧マイホームに係る住宅ローンがなくてもOK)

 ②特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

  住宅ローンのあるマイホームを売却して損失(譲渡損失)が生じたときに、一定の譲渡損失を他の所得と損益通算

  でき、損益通算しきれない譲渡損失は翌年以後3年間にわたって繰越控除できる特例

  (新マイホームに買換えなくてもOK)

上記5つの特例の適用要件、税制優遇の効果はまた詳しく触れていきたいと思います。

休眠会社について

京都 西京区の税理士 渡利裕亮です。

本日、8/5(火)から税理士試験ですね!
受験生の皆様、1年間の成果を100%発揮できるよう精一杯頑張ってください!!

今回は、前回記事(H26.7.24)会社設立のメリットとデメリットで少し触れました「休眠会社」について掘り下げてみたいと思います。


1.休眠会社とは?


法人として登記簿上は存在してはいるものの、事実上、営業活動を停止している会社をいいます。


2.なぜ休眠するのか?


休眠の理由には諸処ありますが、会社の解散・清算には煩雑な手続や登記・税務申告費用が伴います。将来、新事業を開始して営業再開!という可能性があれば、解散・清算してしまうと再度会社設立ということになり、手続的にも費用的にも負担が大きくなります。

また、家族経営の同族会社など、株主と経営者が一体の会社では手続も費用もかかるので、解散・清算手続きをしないでそのまま放置…ということもあるようです。


3.休眠会社の税務と税金


事実上、営業活動を行っていないとはいえ法的には存続しているので税務申告の義務は発生します。
休眠会社の税務・税金は以下のとおりになります。

法人税

利益(所得)が発生しなければ税金は発生しません。しかしながら利益がゼロ又は赤字でも2期連続して期限内に確定申告書の提出がない場合には、2期目から青色申告の承認が取り消され「青色申告の特典」といわれる税制上の優遇を受けられなくなります。

青色申告を取り消されたあとの再申請は、取消し通知を受けた日以後1年を超えてからでないとできません。

また、青色申告は適用を受ける期の開始前に提出する必要があるので、取り消しを受けると最低3期分は青色申告ができなくなります。

更に無申告の期があると、将来営業を再開した際に、休眠前に発生した赤字(欠損金)と営業再開後の利益(所得)との相殺ができなくなります。

消費税

休眠中は課税取引が無いため申告義務は発生しません。

法人住民税 均等割(地方税)

法人税(国税)とは異なり、利益が無くても均等割という税金(7万円~)が発生しますので申告・納付しないと未納の税金が累積していくことになります。
ただし、均等割については、以下【法的根拠】に該当する状態であれば、管轄の道府県税事務所、市町村あてに休眠状態である旨の届出書を提出して均等割課税の免除を受けることが可能です。

【均等割免除の法的根拠】
◇法人住民税(道府県民税・市町村民税)の納税義務者

事務所又は事業所を有する法人(地方税法第24条第1項、第294条第1項)

◇「事務所又は事業所」

自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず、事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって、そこで継続して事業が行われる場所をいう…(地方税法の施行に関する取扱について)

となっていますので、人的及び物的設備もなく、事業が行われていなければ均等割を支払う必要はないことになります。

固定資産税(地方税)

不動産の所有者に課税される税金ですので、会社で不動産を所有していれば休眠中でも課税されます。


4.【まとめ】休眠会社の税務


法人税

◇ 毎年期限内に申告をする!営業活動がなければ過去の申告書を参考に自力でも作成可能です。

◇「異動届出書」など休眠状態である旨の届出書を提出する。

消費税

「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出」を提出する。

法人住民税

管轄の道府県税事務所と市町村あてに休眠状態である旨の届出書を提出する。
なお、各自治体によって休眠会社の手続きが異なりますので必ず事前に管轄の道府県税事務所と市町村に確認しましょう。


5.その他


役員重任(変更)登記・みなし解散

株式会社であれば役員の任期が満了すれば休眠中でも役員の重任や変更の登記手続きが必要になります。
登記手続きを行わなければ罰則規定により罰金を科される可能性があります。
また、株式会社は最後の登記から12年以上経過すると会社法第472条の「休眠会社のみなし解散」の規定により、一定の手続を経た上で解散したものとみなされますので注意が必要です。
なお、平成26年11月に全国の法務局で休眠会社・休眠一般法人の整理作業が行われるようです。

〈法務省HP↓〉

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00082.html

銀行融資

無申告のままにしておくと、営業を再開し銀行から融資を受けようとする際に決算書など、求められる書類を揃えることができない可能性があります。


以上、将来少しでも事業再開見込みのある会社であれば、管轄の道府県税事務所と市町村に休眠の届出書を提出し、法人税の申告は必ず毎年期限内に行いましょう!!

会社設立(法人化)のメリットとデメリット

2014.07.24

 

京都 西京区の税理士 渡利裕亮です。

今回は個人事業主の方が会社を設立(以下「法人化」とします)した場合の

メリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

 


まずはメリットから

 

メリット1【節税】

個人事業での利益が概ね600万円を超えてくると法人化による節税効果が期待できます。

法人化すると、利益分を会社から「給料として」「親族等に分散して」受け取ることが可能となるため

・給与所得控除という支出の伴わない控除を受けれる

・所得税の累進税率を引き下げることができる

という恩恵を受けることができます。この点が法人化による節税効果の柱になります。

上記の節税効果を試算すると、個人事業主の家族構成等にもよりますが、扶養の妻、中学生以下の子供という家族構成でしたら利益(売上-経費)が600万円あたりから住民税等の地方税も含めて節税効果が年30万円ほど出てきます。利益が1,000万円であれば、節税効果はその倍というイメージです。

その他

・生命保険料を経費計上できる

・出張手当を計上できる(社内規程の整備が必要)

・親族に支払う家賃や借入利息を経費計上できる

・退職金を経費計上できる

・消費税の課税事業者であれば、一定の条件のもとに会社設立後2年間は消費税が免税

・赤字の繰越期間が3年間から9年間になる

・株式の移転により事業承継が容易になる

・繁忙期を考慮して決算期を自由に決めれる

など経費計上できる項目が広がる、経営の幅が広がるというメリットがあります。

 

メリット2 【社会的信用力】

法人化した場合、個人事業に比べ対外的な信用力が向上します。

・大企業と取引し易くなる、取引先の開拓の際に信用を得やすくなる

・金融機関(銀行・公庫)からの借入がし易くなる

・求人・雇用に際して、優秀な人材を確保しやすくなる

というメリットを得ることができ、その信用力を背景に事業拡大を行い易くなります。


一方、デメリットを挙げると

 

デメリット1 【信用コスト・運営コスト】

法人化による社会的信用力UPというメリットが生じる反面 その信用力を維持するためのコスト

(登記や決算申告料等)や事務手続きが発生します。

・会社設立費用(登記費用)

・社会保険への強制加入に伴う保険料負担

・赤字でも法人住民税等が7万円~が発生

・税理士報酬

・法人税法や会計要領に基づく記帳・決算書・申告書の作成、社会保険事務、

 会社法の定めによる定款変更、商業登記、株主総会などの事務手続

 

デメリット2 【廃業ハードル】

個人事業の場合、廃業届の提出と廃業年の確定申告で廃業手続きは完了しますが、法人の場合、手続きが複雑な上、解散・清算それぞれに登記と特殊な税務申告が発生するので、仮に事業環境や資金繰りの悪化で廃業…という最悪の決断をする際にも手続面、コスト面がネックになります。

「休眠会社にする」という選択肢もありますが、法人税の申告義務や役員変更登記の手続きが発生するのでスッキリとはしません。

 


法人化を決断するタイミングは…

 

利益(売上-経費)が常に600万円を超える事業状況であること

社会的信用力UPを背景に資金調達や従業員の雇用を行い、更なる事業拡大を目指す意思があること

即ち、個人事業で一定の利益が見込めるようになり、更なる事業拡大を目指すのであれば「法人化」を意識する時期ということになります。

しかしながら上記「デメリット1」にもあるように、法人の信用力を維持するための事務手続や運営コストは個人事業に比べて確実に増加します。

ですので「メリット1」の節税効果のみを期待した法人化であれば法人化は控えた方がいいのではないかと個人的には思います。 法人化による最大のメリットは、「メリット2」にある社会的信用力UPであり、その信用力を背景にした事業の拡大です。最終的には経営者の方に

◆信用力を背景に得られるメリットを利用して事業を拡大し続ける

信用力を維持するための運営コストを許容できる

という意思ががあるか否かではないかと思います。

長くなりましたが、法人化によるデメリットを享受した上で、メリットを利用した事業の拡大をイメージできる方はすぐにでも法人化を検討すべきではないかと思います。

「7/10」は源泉徴収の納期特例(半年に1回納付)の納期限です

2014.07.04

京都 西京区の税理士 渡利裕亮です。

 

源泉徴収の納期特例の適用を受けている法人・個人事業主の皆さま
まもなく1~6月の間に源泉徴収した所得税・復興特別所得税の納付時期ですね。ご準備の方は如何でしょうか?

 

今日は「源泉徴収制度」と「納期特例」について簡単に説明いたします。

 

源泉徴収とは、給料や報酬などを支払う者(法人・個人)が、支払う際に所得税・復興特別所得税(以下「税金」とします)を差し引いて国に納付する制度です。(いわゆる天引きというものです。)

勤務先の会社等が従業員等の税金を代行集金して国に前払しているようなもので、国の徴収事務の効率化や国の税収確保を支える制度です。

 

ここで従業員等から税金を集金して国に納付する法人や個人のことを「源泉徴収義務者」といいます。
(個人の方で給料を支払っていない方や、2人以下の家政婦さんにしか給料を支払っていない方は源泉徴収をする必要はありません。)

源泉徴収義務者は従業員から源泉徴収した税金を給料支払日の翌月10日までに国に納付することになります。

これが原則の納期限になるのですが、給料の支払いを受ける従業員が常時9人以下の場合には、納期限を1月~6月までに源泉徴収した税金は7/10まで、7~12月までに源泉徴収した税金は1/20までの年2回とすることができ、これを「納期の特例」と言います。

 

「納期の特例」の適用を受けたいときは、税務署に承認申請を提出することにより、提出月の翌月から適用を受けることができます。

 

ところで、あまり良いお話ではないのですが、「納付を忘れてしまった!」といった場合には、不納付加算税(納付額の5または10%)や延滞税(一定期間を過ぎると納付額の年9.2%)のペナルティが課されます。くれぐれもご注意を!