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税務お役立ち情報

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会社設立(法人化)のメリットとデメリット

2014.07.24

 

京都 西京区の税理士 渡利裕亮です。

今回は個人事業主の方が会社を設立(以下「法人化」とします)した場合の

メリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

 


まずはメリットから

 

メリット1【節税】

個人事業での利益が概ね600万円を超えてくると法人化による節税効果が期待できます。

法人化すると、利益分を会社から「給料として」「親族等に分散して」受け取ることが可能となるため

・給与所得控除という支出の伴わない控除を受けれる

・所得税の累進税率を引き下げることができる

という恩恵を受けることができます。この点が法人化による節税効果の柱になります。

上記の節税効果を試算すると、個人事業主の家族構成等にもよりますが、扶養の妻、中学生以下の子供という家族構成でしたら利益(売上-経費)が600万円あたりから住民税等の地方税も含めて節税効果が年30万円ほど出てきます。利益が1,000万円であれば、節税効果はその倍というイメージです。

その他

・生命保険料を経費計上できる

・出張手当を計上できる(社内規程の整備が必要)

・親族に支払う家賃や借入利息を経費計上できる

・退職金を経費計上できる

・消費税の課税事業者であれば、一定の条件のもとに会社設立後2年間は消費税が免税

・赤字の繰越期間が3年間から9年間になる

・株式の移転により事業承継が容易になる

・繁忙期を考慮して決算期を自由に決めれる

など経費計上できる項目が広がる、経営の幅が広がるというメリットがあります。

 

メリット2 【社会的信用力】

法人化した場合、個人事業に比べ対外的な信用力が向上します。

・大企業と取引し易くなる、取引先の開拓の際に信用を得やすくなる

・金融機関(銀行・公庫)からの借入がし易くなる

・求人・雇用に際して、優秀な人材を確保しやすくなる

というメリットを得ることができ、その信用力を背景に事業拡大を行い易くなります。


一方、デメリットを挙げると

 

デメリット1 【信用コスト・運営コスト】

法人化による社会的信用力UPというメリットが生じる反面 その信用力を維持するためのコスト

(登記や決算申告料等)や事務手続きが発生します。

・会社設立費用(登記費用)

・社会保険への強制加入に伴う保険料負担

・赤字でも法人住民税等が7万円~が発生

・税理士報酬

・法人税法や会計要領に基づく記帳・決算書・申告書の作成、社会保険事務、

 会社法の定めによる定款変更、商業登記、株主総会などの事務手続

 

デメリット2 【廃業ハードル】

個人事業の場合、廃業届の提出と廃業年の確定申告で廃業手続きは完了しますが、法人の場合、手続きが複雑な上、解散・清算それぞれに登記と特殊な税務申告が発生するので、仮に事業環境や資金繰りの悪化で廃業…という最悪の決断をする際にも手続面、コスト面がネックになります。

「休眠会社にする」という選択肢もありますが、法人税の申告義務や役員変更登記の手続きが発生するのでスッキリとはしません。

 


法人化を決断するタイミングは…

 

利益(売上-経費)が常に600万円を超える事業状況であること

社会的信用力UPを背景に資金調達や従業員の雇用を行い、更なる事業拡大を目指す意思があること

即ち、個人事業で一定の利益が見込めるようになり、更なる事業拡大を目指すのであれば「法人化」を意識する時期ということになります。

しかしながら上記「デメリット1」にもあるように、法人の信用力を維持するための事務手続や運営コストは個人事業に比べて確実に増加します。

ですので「メリット1」の節税効果のみを期待した法人化であれば法人化は控えた方がいいのではないかと個人的には思います。 法人化による最大のメリットは、「メリット2」にある社会的信用力UPであり、その信用力を背景にした事業の拡大です。最終的には経営者の方に

◆信用力を背景に得られるメリットを利用して事業を拡大し続ける

信用力を維持するための運営コストを許容できる

という意思ががあるか否かではないかと思います。

長くなりましたが、法人化によるデメリットを享受した上で、メリットを利用した事業の拡大をイメージできる方はすぐにでも法人化を検討すべきではないかと思います。

「7/10」は源泉徴収の納期特例(半年に1回納付)の納期限です

2014.07.04

京都 西京区の税理士 渡利裕亮です。

 

源泉徴収の納期特例の適用を受けている法人・個人事業主の皆さま
まもなく1~6月の間に源泉徴収した所得税・復興特別所得税の納付時期ですね。ご準備の方は如何でしょうか?

 

今日は「源泉徴収制度」と「納期特例」について簡単に説明いたします。

 

源泉徴収とは、給料や報酬などを支払う者(法人・個人)が、支払う際に所得税・復興特別所得税(以下「税金」とします)を差し引いて国に納付する制度です。(いわゆる天引きというものです。)

勤務先の会社等が従業員等の税金を代行集金して国に前払しているようなもので、国の徴収事務の効率化や国の税収確保を支える制度です。

 

ここで従業員等から税金を集金して国に納付する法人や個人のことを「源泉徴収義務者」といいます。
(個人の方で給料を支払っていない方や、2人以下の家政婦さんにしか給料を支払っていない方は源泉徴収をする必要はありません。)

源泉徴収義務者は従業員から源泉徴収した税金を給料支払日の翌月10日までに国に納付することになります。

これが原則の納期限になるのですが、給料の支払いを受ける従業員が常時9人以下の場合には、納期限を1月~6月までに源泉徴収した税金は7/10まで、7~12月までに源泉徴収した税金は1/20までの年2回とすることができ、これを「納期の特例」と言います。

 

「納期の特例」の適用を受けたいときは、税務署に承認申請を提出することにより、提出月の翌月から適用を受けることができます。

 

ところで、あまり良いお話ではないのですが、「納付を忘れてしまった!」といった場合には、不納付加算税(納付額の5または10%)や延滞税(一定期間を過ぎると納付額の年9.2%)のペナルティが課されます。くれぐれもご注意を!

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